新型コロナワクチン接種証明書がスタートする?!

新型コロナワクチンの接種が日本でも開始し、6月7日現在、国内の累計接種回数は1,834万8,184回、接種した人の割合は65歳以上で23.7%、医療従事者で103.2%(少なくとも1回接種した割合)という状況です。なかなか諸外国と比較し、日本のワクチン接種状況は大幅に遅れをとっていると言われています。そんな中直近で”職域でのワクチン接種”が大きく動き出しています。加えて接種証明書の発行を今夏スタートで検討しているという状況でもあるそうです。今回はそんな職域接種や接種証明書について現時点での情報をまとめてお伝えします。

職域接種とは

職域接種とは、新型コロナワクチン接種における地域の負担を軽減し、接種の加速化を図っていくため企業や大学等において学校などを含む職域単位でワクチンの接種をおこなうものです。医療従事者や会場などは企業や大学等が自ら確保し、自治体の接種事業に影響を与えないようにすることが求められています。
予防接種は、接種した本人にもたらす直接的な効果と集団の大部分が免疫を持ち、感染症の蔓延を防ぐ間接的な効果(集団免疫)があり、職域での接種は社内での新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐうえでも大きな役割を果たすことが期待されます。

職域接種の詳細

使用するワクチン
 モデルナ社製のワクチン
開始時期
 令和3年6月21日より開始(高齢者接種が早期に完了する見込みのある自治体については自治体の判断で前倒しも可能。)
実施要件
 ◇医師・看護師等の医療職のほか、会場運営のスタッフ等、必要な人員を企業や大学等が自ら確保する
 (副反応報告などの必要な対応を行うこと)
 ◇接種場所・導線等の確保についても企業や大学等が自ら確保する
 ◇社内連絡体制・対外調整役を確保する(事務局を設置する)
 ◇同一の接種会場で2回接種を完了すること、最低2,000回(1,000人×2回接種)程度の接種を行うことを基本とする
 ◇ワクチンの納品先の事業所でワクチンを保管の上、接種する
実施形態
 ◇企業単独実施 ◇中小企業が商工会議所等を通じて共同実施 ◇下請け企業、取引先を対象に含めて実施
 ◇大学等が学生も対象に含める 等も可能
接種順位
 職域接種対象者の中で優先順位を踏まえて実施。高齢者、基礎疾患を有する者を優先的に接種
接種費用
 職域接種も予防接種法に基づき行われるものであり、接種にかかる費用は同法に基づき支給される
接種券
 ◇接種券が届く前でも接種可能
 ◇接種券が発送された後は、企業や大学において本人から回収して予診票に添付、請求等を行う

職域接種の流れ

職域接種の実際の流れを確認してみましょう。

①上記の実施要件を確保し、専用WEB入力フォームに必要事項を入力する。↓

厚生労働省 職域接種会場申請サイト

<国が代行・補助>
・市町村との集合契約に必要な会場ごとのコードを付番申請する
・集合契約への加入
・接種責任医師名、ワクチン保管管理責任者等の必要情報をV-SYS上で登録する
・-20℃冷凍庫を手配する
・ワクチンの必要量等をV-SYS上に登録する

②-20℃冷凍庫を設置。ワクチンの納品リハーサルを実施する。
③ワクチン接種を実施。実績を報告する。
④費用請求を行い、後日入金を確認する。

国が提供してくれるもの

ワクチン保管用の冷凍庫
 -20℃冷凍庫と保管温度の記録計が提供されます。武田/モデルナ社ワクチンが最大2,400回接種分保管できます。
武田/モデルナ社ワクチン
 国から卸売販売業者を通じて100回分を1単位として配送されます。
 -20℃で冷凍された状態で配送され、使用前に回答が必要です。
接種用の針・シリンジ
 ワクチン接種に使用する針・シリンジが提供されます。
 針は1箱100本、シリンジは1箱100本で配送されるので針・シリンジの在庫を置くスペースの確保も必要です。
マスク・手袋等の個人防護具(PPE)
 配布希望があればワクチン接種時に使用するサージカルマスク・非滅菌手袋、緊急時使用備蓄として必要なN95等マスク・アイソレーションガウン・フェイスシールドを国から接種会場に直送されます。

つまり、職域接種を希望する場合に用意すべきなのは、
●医師・看護師等の医療者、事務員
●会場
であるということがわかります。

武田/モデルナ社のワクチンとファイザー社のワクチンはどう違うの?

今回の職域接種では武田/モデルナ社のワクチンを使用予定ですが、ファイザー社のワクチンとはどのような違いがあるのでしょうか。

メーカータイプファイザー武田/モデルナ
接種方法筋肉注射
3週間隔で2回
筋肉注射
4~12週間隔で2回
発症予防効果95%94%
接種対象者16歳以上18歳以上
主な保管方法冷凍
-75℃±15℃で
6ヶ月保存可能
冷凍
-20℃±5℃で
6ヶ月保存可能

どちらもmRNAワクチン

ファイザー社のワクチンも武田/モデルナ社のワクチンもmRNAワクチンであるという点は同じです。mRNAワクチンとは、核酸ワクチンと呼ばれ、コロナウイルス抗原をつくり出す設計図を直接体内に接種することで抗体の標的となる抗原タンパクを体内でつくり出します。mRNAワクチンを接種されるとまずはヒトの細胞内に取り込まれ、細胞内のリボソームでmRNAが設計図となり抗原となるスパイクタンパクをつくり出します。この抗原タンパクをもとに体内で有効な抗体がつくられ(液性免疫)、同時に抗体を介さない細胞性免疫(T細胞など免疫細胞が直接ウイルスを攻撃)も高められると考えられています。

接種対象や接種間隔が異なる

ファイザー社のワクチンは16歳以上が接種対象となるのに対し、武田/モデルナ社のワクチンは18歳以上が接種対象となります。また、ファイザー社のワクチンの接種間隔は1回目の接種後、3週間の間隔で2回目を接種しますが、武田/モデルナ社のワクチンは1回目の接種後、4週間の間隔で2回目の接種を受けます。このあたりが大きく異なる点ではないでしょうか。
発症予防効果はファイザー社のもので95%、武田/モデルナ社のもので94%といずれも高い有効性が示されています。

副反応は武田/モデルナ社のものがやや高い傾向に

副反応についてはいずれのワクチンも接種の翌日に最も頻度が高いという点は共通しています。モデルナ社製ワクチンのほうが副反応の頻度がやや高い傾向にあると言われています。
1回目接種の副反応は、接種部位の疼痛がファイザー社製のもので約64%、モデルナ社製のもので約71%、倦怠感や頭痛、筋肉痛といった全身性の反応が両ワクチン約20%程度、悪寒や発熱等がファイザー社製のもので約7%、モデルナ社製で約10%と報告されています。2回目接種の副反応は、接種部位の疼痛がファイザー社製のもので約67%、モデルナ社製のもので約78%、倦怠感、頭痛、筋肉痛がファイザー社製で約40%、モデルナ社製で約50%、悪寒や発熱がファイザー社製で約20%、モデルナ社製で約40%に報告されています。

武田/モデルナワクチンの注意点

武田/モデルナワクチンを接種する人も多いと思うので接種の注意点を確認しておきましょう。

接種できない人

□明らかに発熱(37.5℃以上)している人
□重篤な急性疾患にかかっている人
□ワクチンの1回目の接種の時にショックやアナフィラキシーが現れた人
□過去に本ワクチンに含まれている成分で重度の過敏症があった人
 ※過敏症:アナフィラキシー、全身のかゆみ、蕁麻疹、喉のかゆみ、ふらつき、動悸、息苦しさ、血圧低下等のアナフィラキシーを疑わせる複数の症状
□上記以外に医師が予防接種を行うことが不適当な状態にあると判断した人

接種に注意が必要な人

□血小板減少症や凝固障害のある人、または抗凝固療法を受けている人
□過去に免疫異常があると診断されたことがある人や両親や兄弟に先天性免疫不全症の人がいる人
□心臓や血管、腎臓、肝臓、血液の病気や発育の障害などの基礎疾患のある人
□今までに予防接種を受けて2日以内に発熱があった人や全身性の発疹などアレルギーが疑われる症状が出たことがある人
□過去に痙攣をおこしたことがある人
□本ワクチンの成分に対してアレルギーをおこす恐れがある人
□腎機能障害がある人
□肝機能障害のある人
□妊婦又は妊娠している可能性がある人、妊娠の計画がある人、授乳されている人
 ※予防接種の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ接種してください。
□高齢の人
 ※”ご自身の健康状態”を接種前の問診時に忘れずに伝えましょう。

接種対象外の人

□1回目に武田/モデルナワクチン以外の新型コロナウイルスワクチンを接種した人
□18歳未満の人
 ※18歳未満を対象とした臨床試験は実施していません。

留意事項

※ワクチンは接種された人の新型コロナウイルス感染症の発症を予防するワクチンです。
※他人への感染予防効果は評価されていません。
※ワクチン接種後も基本的な感染予防対策(マスクの着用、密集・密接・密閉の回避、手洗いや咳エチケット等)をおこなってください。
※ワクチンの接種後に副反応(発熱や倦怠感、痛み等)が現れる可能性を考慮して接種当日や翌日の予定を立てることを推奨します。

接種後すぐにあらわれるかもしれない副反応

ショックやアナフィラキシーはだいたい接種後30分以内に起こる重度のアレルギー反応です。主に下記のような症状が出現したらショックやアナフィラキシーが考えられます。

□全身:冷や汗が出る、ふらつき  □頭部:めまい、意識の消失
□顔面:顔面蒼白         □口や喉:喉の痒み
□胸部:動悸、息苦しい      □手・足:手足が冷たくなる
□皮膚:全身の痒み、蕁麻疹

接種日以降にあらわれるかもしれない副反応

接種日以降にあらわれる主な副反応として以下のような症状が報告されています。

□注射部位症状:注射した場所の痛み・腫れ・発赤
 本ワクチンを接種された人の約9割に何らかの注射部位症状があらわれることが報告されています。2回目の接種後に現れる場合では重めの症状が多くなる傾向にあります。症状は多くの場合接種1~2日以内に出現します。
□全身症状:発熱、頭痛、疲労、筋肉痛、関節痛、吐き気・嘔吐、悪寒
 1回目の接種時には5割に、2回目では8割の人に何らかの全身症状が現れることが報告されています。
 2回目の接種後に現れる場合では重めの症状が多くなる傾向があります。これらの症状は、多くの場合接種後1~2日以内に現れます。症状は1~3日で消失することがほとんどですが、高熱や痙攣等の異常な症状が出現した場合には医療機関を受診し医師の診察を受けることを推奨します。

これらの症状は高齢者よりも非高齢者に、男性よりも女性に多く出現する傾向があります。

接種後の過ごし方

□接種部位は清潔に保つようにしましょう
□接種当日の入浴は問題ないですが注射した部位は揉んだりこすったりしないようにしましょう
□接種当日の激しい運動は控えましょう
□接種後も基本的な感染予防対策は継続しておこないましょう

今後接種証明書の発行もはじまるの?

現在は新型コロナワクチン接種後、”新型コロナワクチン接種記録書”というワクチンのロットナンバーや接種日時を記載した用紙が発行されています。

今後、新型コロナワクチンの接種歴を証明する”ワクチンパスポート”というものを今夏にも発行する方向で政府が調整を始めているようですね。各国の水際対策で接種履歴の確認をおこなう動きが広がっていることへの対応です。
まだ、検討を進めている段階のようですが、接種時期やワクチンのメーカーについてひとまずは紙の証明書を発行し、将来的にはスマートフォンアプリで管理することも検討しているのだとか・・・・
また、新型コロナワクチンの接種が義務化されている海外の大学に留学予定の人については大学の接種会場で接種を受けられるようにし、大臣名で英語の接種証明書を発行してくれるそうです。
学位を取得する目的で海外の大学に留学する人が文部科学省に申請すれば、6月21日からはじまる大学での接種の会場で新型コロナワクチンの接種を受けられるようにするということです。

※6月17日に、ワクチン接種証明の7月中下旬の交付開始を目指すという政府の方針が発表されました。当面は日本から各国に入国する際に防疫措置の緩和を受けることが必要な人に対し書面での交付をおこなえるよう準備を進めているようです。

接種証明書があれば海外に行けるようになるの?

まだ各国との交渉段階であるのでワクチンパスポートがあれば入国後の待機が免除となりスムーズに海外に行けるようになるのかどうかについては不明です。
海外渡航者向けに発行し、主にビジネス往来の円滑化を図ることが目的です。
スムーズに海外旅行にいけるまではまだ時間がかかりそうですね。。

ワクチンパスポートは海外で運用が始まっている?

ワクチンパスポートとは、世界各国で旅行したり施設に入場したりする際に利用されている新型コロナワクチン接種を完了したことを示す接種証明書のことです。
イスラエルでは成人の80%が新型コロナワクチンの接種を完了しており、世界で非常に接種が進んでいる国です。イスラエルは接種の進行スピードと比例してワクチンパスポートについて世界で最も進んでいる国です。
イスラエルの新型コロナワクチン接種証明書プログラムは”グリーンパス”と呼ばれ、ワクチン接種を受けた市民がスポーツジム、レストラン、コンサート会場、映画館などの公共の施設に入場する際に要するものです。
紙の証明書とスキャンできるコードの付いたスマートフォンアプリの2種類があります。
その他、現時点での各国のワクチンパスポートの代表例は下記です。

国・地域名称証明できること
中国国際旅行健康証明接種の有無や各種検査の陰性を証明
イスラエルグリーン・パス接種完了後、1週間以上経過したことを証明
米国NY州エクセルシオール・パス接種歴をQRコードで証明
EU欧州連合デジタルグリーン証明書接種の有無、検査の陰性や感染からの回復を証明(今夏導入予定)

国境を越えた自由な往来を目指すためには、接種したワクチンの相互承認が必要となるためワクチンパスポートは有用であると考えられますが、しかしながら、妊娠やアレルギーなどの事情でワクチンの接種を控える人などの差別につながりかねないという声もあり、倫理上の懸念もあります。

さいごに

少しずつ新型コロナウイルスワクチンの接種は広がってきている状況です。現在日本では新型コロナウイルスワクチンは”データが不足しているから”という理由で接種前後2週間は他のワクチンの接種を禁止されています。しかしながらアメリカ疾病対策センターでは”安全性データが十分に集まった”という理由から他ワクチンとの同時接種を認める方針を発表しています。今後、人の往来が増えればインフルエンザや、麻疹・風疹、その他感染症などに罹患する可能性も上がるのではないかと思います。現在の同時接種NGの状況が続けば、多くの人がワクチン接種のために無駄な時間と労力を割くことになってしまうのではないかと思います。日本でも早く同時接種を認めるべきだと考えられます。
また、今後のワクチンパスポートの普及が待ち遠しいですね!今後の動きに注目です!

【参考】
 日本経済新聞 チャートで見る日本の接種状状況 コロナワクチン
 日本経済新聞 ワクチンパスポートとは
 PMDA モデルナ接種注意パンフレット
 山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信 モデルナ社製ワクチンの安全性
 JIJI.COM ワクチン接種証明、今夏にも発行 渡航者向け、往来円滑化図る―政府
 厚生労働省 職域接種に関するお知らせ

この記事を書いた人

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えあざむ

渋谷で働く25歳。美容と健康に興味あり!みなさまに正しい情報をお伝えするために日々情報収集しています。 胃痛持ちで内視鏡検査の常連。血液検査が苦手。医療脱毛の痛みは耐えられます!