【解説】新しい変異株!ミュー株の危険性は?

2020年から依然として猛威をふるっている新型コロナウイルスですが、皆さんご存知のとおり、少しずつ型を変えながら感染を拡大させていっています。少し前まで感染爆発を起こしていたデルタ株は、2021年9月6日現在少しずつ感染者数が減ってきましたが、今後どんな型のウイルスが流行するのか気になる方や不安な方も多いのではないでしょうか。そこで、今国内でも確認されている変異株”ミュー株”について今回はご紹介したいと思います。

現在の新型コロナウイルスの感染状況は?

医療機関に勤務している友人からも、8月の末あたりからかなり感染者数が減少しているという話を聞きましたが、実際に感染者数はどのように推移しているのでしょうか。東京都の感染者数を確認してみました。

感染力の強いデルタ株の影響で2021年8月の東京都の新規感染者数は5,000人を超える日もあるような状況でしたが、8月の末から急激に減少し、9月6日には1,000人を切るような状況になっています。
友人の話でも、今までは絶対コロナだと思うような高熱の症状の人でも抗原検査で陰性が確認されるケースが多く、いきなり感染者数が大幅に減少したと感じているということでした。

変異株には位置づけがあるって本当?

変異株はWHOによって2種類のカテゴリーに分類されています。①懸念される変異株(VOC)②注目すべき変異株(VOI)の2種類です。

懸念される変異株とは

主に感染性や重篤度が増す、ワクチン効果を弱めるなど性質が変化した可能性のある株のことをいいます。

主な変異株:アルファ株(2020年9月,イギリス)、ベータ株(2020年5月,南アフリカ)、ガンマ株(2020年11月,ブラジル)、デルタ株(2020年10月,インド)

注目すべき変異株とは

主に感染性や重篤度、ワクチン効果などに影響を与える可能性がある、国や地域を超えて見つかっている変異株をいいます。

主な変異株:イータ株(2020年12月,複数の国)、イオタ株(2020年11月,アメリカ)、カッパ株(2020年10月,インド)、ラムダ株(2020年12月,ペルー)、ミュー株(2021年1月,コロンビア)

ミュー株とは

2021年8月30日付で注目すべき変異株に分類されたウイルスです。2021年1月に南米コロンビアで初めて確認されており、コロンビアとエクアドルで増加傾向にあります。また、現時点で42の国や地域で確認されているそうです。実は今年の4~6月にコロンビアで1日あたり約700人の死者を出した感染第3波の期間中、死者のうち2/3近くが検査でミュー株の陽性反応が出たと言われており、強い感染力を示しているという見方もあります

日本でも感染者が確認された?

実は、成田と羽田の空港検疫で感染が確認された2名からミュー株が検出されました。この2名は6月にアラブ首長国連邦から入国した40代の女性と7月にイギリスから入国した50代の女性でともに無症状だったそうです。ミュー株が日本で初めて確認されたのがこちらです。

ミュー株は危険?!ワクチンの有効性は?

ミュー株はワクチンの効果を無効化する可能性があると言われていますが、アメリカの公衆衛生機関はミュー株について「緊迫した危険性はない」と位置づけています。ただ、ミュー株によりワクチンなどの効力の弱体化について十分な臨床データがないためまだ研究中の変異株ではあります。結論、今のところミュー株については差し迫った脅威を突きつけるものとは判断されていないようです。
でも、ベルギーの高齢者施設ではワクチンを接種したものの感染した21人のうち7人が死亡しているということから”重症化も予防できない”という可能性があり、注意は必要そうですね。

これまで確認された懸念される変異株をチェック

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210903/k10013240591000.html

アルファ株:感染性は従来のウイルスの5~7割程度高い可能性があるとされており、入院・死亡するリスクが高い可能性があります。再感染やワクチンの効果に影響がある可能性はあまりないと言われています。

ベータ株:感染性は従来のウイルスの5割程度高い可能性があるとされており、入院時死亡リスクが高い可能性があります。ワクチンの効果を弱める可能性を懸念されています。

ガンマ株:感染性は従来のウイルスの1.4~2.2倍程度高い可能性があるとされており、入院リスクが高い可能性があります。従来株感染者の再感染事例の報告もあり、ワクチンの効果を弱める可能性があると言われています。

デルタ株:感染性は高いと言われており、入院リスクも高い可能性があると言われています。ワクチンと抗体医薬の効果を弱める可能性もあるとされています。

変異株の名前の由来はギリシャ語?

世界的に懸念される新型コロナウイルスの変異株についてアルファ、ベータ、ガンマなど、WHOはギリシャ語のアルファベットで呼ぶようにすると発表しました。「汚名を着せることや差別につながることを避け、コミュニケーションしやすくするため」にこのような名前で呼ばれています。よくある、最初に変異株が見つかった国や地域の呼び方をすると、最初に見つかったからと言ってその国で変異株が生まれたとは限らないのに、その国にルーツのある人が差別される懸念があり、そういった差別を嫌がって変異株を見つけた国などが発表を控えれば世界的な対応の遅れに繋がる可能性があるためだそうです。
なぜギリシャ語なのか疑問でしたがそういう理由があったんですね!

なぜウイルスは変化するの?

変化し続けるウイルス。なぜなの?と気になる方も多いのではないでしょうか。

ウイルスはタンパク質の外殻、内部に遺伝子を持っただけの単純な構造の微生物です。ウイルスは細菌とは異なり、自分自身で増殖する能力がなく、生きた細胞の中でしか増殖できないのでヒトや動物など他の生物の細胞の中に侵入し、複製を作らせることで増殖していきます。このときウイルスの遺伝子が大量にコピーされます。新型コロナウイルスの場合、何度もコピーを繰り返すうちにRNAの配列に小さなミスが起こります。このコピーミスを”変異”と呼びます。ヒトからヒトに感染を広げる中で、通常はマイナ―チェンジだけの変異を繰り返しますが、数十年に一回程度、フルモデルチェンジの変異を起こすことがあります。
新型コロナウイルスは、デルタ株以上に感染力が強くなる可能性があるとも指摘されています。
前述のとおりウイルスは増殖するときのコピーミスで出現するのでコピーの回数を減らせば変異する機会を減らすことになります。このため、感染拡大を抑制することが大切であり、感染対策を引き続きおこなっていくことが非常に重要であると考えられます。

さいごに

現時点でミュー株はそこまで危険視するウイルスではないと考えられます。国内でも数か月前に感染者が確認されていますが、ミュー株の感染者がそれ以降確認されていないことも危険視するウイルスではないという考えを主張する理由でもあります。
しかしながら、まだまだ研究途中であり、決して軽視すべきではないと思いますので引き続き感染対策をおこない、ミュー株の感染拡大だけでなく、ウイルスのさらなる変異を防ぐことが重要だと思います。
今は、感染者数が減少してきており、少し気持ちが緩んでいる人も多いかもしれませんが、新しいウイルスなのでまだまだわからないことも多いです。一刻もはやくアフターコロナを楽しめるよう1人ひとりが感染抑止のための動きをおこなっていくことが必要だと感じています。

【参考】
2021年9月3日 時事ドットコムニュース
2021年9月2日 日テレNEWS24
2021年9月4日 CNN
2021年9月3日 NHK
2021年9月6日 東京都健康安全研究センター
株式会社日本医学臨床検査研究所

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えあざむ

渋谷で働く25歳。美容と健康に興味あり!みなさまに正しい情報をお伝えするために日々情報収集しています。 胃痛持ちで内視鏡検査の常連。血液検査が苦手。医療脱毛の痛みは耐えられます!