【解説】MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)

”MRワクチン”は2018年頃から馴染み深くなったワクチンだと思います。みなさんは接種されたことがありますか?

麻疹、風疹の抗体がない人は接種すべきワクチンなので要チェックです。

MRワクチンとは

MRワクチンというのは麻疹と風疹の混合ワクチンのことです。
このワクチンの接種により、麻疹、風疹に対する抗体ができ、かかりにくくなります。近年は麻疹、風疹が成人に流行しています。成人がかかると重症化することが多く、特に妊娠初期の妊婦が風疹にかかると赤ちゃんが先天性風疹症候群という病気を持って生まれる危険性があります。
そのため、成人にも接種が推奨されています。

日本では、2006年4月より定期接種に導入されており、1歳児(Ⅰ期)と小学校入学前1年間の小児(Ⅱ期)に接種されています。

MRワクチンは生ワクチン

MRワクチンは生ワクチンという種類に分類されます。
生ワクチンというのは、生きたウイルスや最近の病原性を弱めて製造されたワクチンのことをいいます。
生ワクチンの接種により、成分である弱毒ウイルスや細菌が体内で増殖するために、接種後一定の期間(病原体の潜伏期間)を経て、その病原体の症状が軽く出てくることがあります。

ちなみに・・・
■注射生ワクチン:BCG・MR・麻疹・風疹・水痘・おたふくかぜ
■経口生ワクチン:ロタウイルス
■不活化ワクチン:Hib・肺炎球菌・四種混合・不活化ポリオ・日本脳炎・二種混合・HPV・インフルエンザ等

日本には”予防接種法”という法律がある

これは、下記を目的とした法律です。

伝染のおそれがある疾病の発生および蔓延を予防するために公衆衛生の見地から予防接種の実施その他必要な措置を講ずることにより、国民の健康の保持に寄与する
予防接種による健康被害の迅速な救済を図る

ちなみに、MRワクチンに含まれる麻疹と風疹は対象疾病のA類疾病に分類されます。
A類疾病は、主に集団予防や重篤な疾患の予防に重点を置いています。本人に努力義務がありますが、接種勧奨もあります。

副反応とは

ワクチン接種後に、免疫をつけるという本来の目的とは異なる、私たちの身体にとって好ましくない症状が時折みられることがあり、これを”副反応”といいます。
副反応の多くは軽症で後遺症を残すことなく治りますが、まれに重篤な副反応が起こる場合もあります。

ワクチンの接種間隔は確実に免疫を付与するため

他のワクチンの接種も考えている場合、ワクチン接種のスケジュールや接種間隔は気にするべきポイントです。
生ワクチンか不活化ワクチンかによっても接種間隔の規定は異なります。

実は2020年10月1日よりワクチン接種間隔の制限が一部緩和されました。

これまで
・生ワクチンを接種した場合、27日以上の間隔をあける
・不活化ワクチンを接種した場合、6日以上の間隔をあける

2020年10月1日以降
注射の生ワクチン間のみ種してから27日以上あける
・その他のワクチンについては制限なし

接種間隔の規定があるのは、生ワクチンが体内で増殖することによる干渉を避けて確実に免疫を付与するため、また副反応が起こるかもしれない時期をはずすためとされています。

麻疹(はしか)とは・・・

麻疹は、麻疹ウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症として知られています。麻疹ウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強いといわれています。麻疹の免疫がない集団に1人の発症者がいたとすると、12~14人が感染するとされています。死亡する割合は先進国であっても1,000人に1人程度です。

免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続するといわれています。

麻疹の症状

感染すると約10日後に鼻水や咳、発熱などの風邪のような症状が現れます。2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。合併症がなければ7~10日後には主症状は回復しますが、麻疹に感染すると約1週間程度は強い症状があるため重症な病気といえます。症状が出ないことはほとんどありません。

麻疹の予防方法

麻疹はマスクや手洗いうがいでは予防できずワクチン接種が最も有効な予防手段です。もし麻疹に感染した場合でも72時間以内に麻疹ワクチンの接種をすることで、麻疹の発症を予防できる可能性があります。

ワクチンを接種することによって95%程度の人が麻疹ウイルスに対する免疫を獲得することができるといわれています。また、2回の接種を受けることで1回の接種では免疫が付かなかった人の多くに免疫をつけることができます。

日本の世代ごとの麻疹予防接種歴


幼少時の定期予防接種にて、接種歴が2回の方、1回の方、0回の方に分かれます。
1978年4月2日以前生まれの方は接種歴が0回で、今年度30歳から41歳の方は接種歴が1回となっております。 (2020年時点)

風疹とは・・・

風疹は風疹ウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症で、風疹への免疫がない集団において、1人の風疹患者から5~7人にうつす強い感染力があります。風疹ウイルスの感染経路は、飛沫感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播します。

感染症状を示さないものから、重篤な合併症併発まで幅広いです。
成人で発症した場合、高熱や発疹が長く続いたり、関節痛を認めるなど、小児より重症化することがあります。
また、脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど、入院加療を要することもあるため、決して軽視はできない疾患です。

風疹に対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、先天性風疹症候群の子どもが生まれてくる可能性が高くなります。

先天性風疹症候群とは・・・
風疹ウイルスの免疫がない女性が妊娠初期に風疹ウイルスに感染し、ウイルスが胎児に感染することで出生児に
・心疾患
・難聴
・白内障
・肝脾腫
・血小板減少
・発育障害
などが生じることです。

妊娠する可能性のある女性は予防接種を受けましょう。妊娠可能性の年代の女性は、胎児への感染を防ぐため妊娠していないことを確認の上、予防接種を受けましょう。
予防接種後2-3カ月は避妊が必要です。

風疹の症状

感染すると約2~3週間後に発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。風疹の症状は、子どもでは比較的軽いのですが、大人がかかると、発熱や発疹の期間が子どもに比べて長く、関節痛がひどいことが多いとされています。また、発疹の出る前後約1週間は人に感染させる可能性があります。

風疹の予防方法

風疹の予防のためには予防接種が最も有効な予防方法だといえます。

ワクチンを接種することによって、95%以上の人が風疹ウイルスに対する免疫を獲得することができるといわれています。また、2回の接種を受けることで1回の接種では免疫が付かなかった方の多くに免疫をつけることができます。さらに、接種後年数の経過と共に、免疫が低下してきた人に対しては、追加のワクチンを受けることで免疫を増強させる効果があります。

日本の世代ごとの風疹予防接種歴

幼少期の定期予防接種にて、接種歴が2回の方、1回の方、0回の方に分かれます。

・平成2年4月2日以降に生まれた人・・・2回接種
・昭和54年4月2日~平成2年4月1日に生まれた人・・・1回接種
・昭和54年4月1日以前に生まれた男性・・・0回

2019年度の政策で定期接種としての接種歴が0回である1979年4月2日以前生まれの男性に風疹予防クーポンが配布されました

MRワクチンを接種しよう!

麻疹、風疹もどちらも非常に強い感染力を有するウイルスであることは前述のとおりです。風疹は妊婦さんが感染すると生まれてくる赤ちゃんにまで影響を及ぼすので家族みんなで予防接種を打つことが大切です。

MRワクチンは、生ワクチンという種類のワクチンですので、妊娠している女性は接種を受けることができません。また、妊娠されていない場合であっても、接種後2カ月程度の避妊が必要です。計画的にワクチン接種を行いましょう。

過去に麻疹・風疹に罹患したことがある方や、ワクチン接種済みの方でも、抗体があるかご不安な方は、抗体検査を受けることも可能ですのでご検討ください。
抗体が少ない方は、麻疹・風疹どちらの抗体も獲得できるMRワクチンの接種をお勧めします。

MRワクチンを接種できる医療機関~MYメディカルクリニック~

院長が日本旅行医学会認定医でワクチンのことに詳しいです。駅近かつ土日や平日夜間も診療しているので通いやすいのもポイントです。

MYメディカルクリニックのワクチンページはこちら

【参考】
厚生労働省 麻しんについて 
厚生労働省 風疹について
中野貴司 予防接種コンシェルジュ 中山書店出版

この記事を書いた人

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えあざむ

渋谷で働く25歳。美容と健康に興味あり!みなさまに正しい情報をお伝えするために日々情報収集しています。 胃痛持ちで内視鏡検査の常連。血液検査が苦手。医療脱毛の痛みは耐えられます!